いわゆる環境問題について

就職活動とは関係ないです。まったく。
長くなりそうな予感です。けっこう。
こうゆうのに興味ある人に読んでもらえたら、嬉しいです。

いっときのダイオキシンブームも去った今日このごろ。今の流行は化学物質過敏症あたりだろうか。昼間のワイドショーで、自宅の庭の小型焼却炉でゴミを焼いていた人に向かって「これがダイオキシンを発生させていることをご存知なんですか？」とレポーターが偉そうに話し掛けていたのも記憶に新しい。

ダイオキシンは最新の焼却炉を用いて高温でゴミを燃やせば発生量を減らすことはできる。けど、ゴミを燃やす限りなくなりはしない。かといって効率よくゴミを燃やしていかないと日本のゴミ処分場はどこも満杯すんぜんで日本中にゴミがあふれかえる。ゴミ焼却場をつくれば周囲から高濃度のダイオキシンが検出されることも多々ある。だから地元に焼却場をつくる案がでるものなら一斉に反対運動が起きる。多分自分でもそうすると思う。そうゆうのは自分の身の回りにはないほうがいい。

ゴミ焼却場をつくってゴミを燃やすこと。

それはダイオキシンを生み出す迷惑な行為にしか思えない。けど、1億人以上の人達が生活している以上は大量のゴミはうまれるし、それをどうにか処分しないといけない。どうしたらうまくやっていけるのか。

原子力発電所にならって、過疎化の進む郊外の土地までゴミを運んでそこで燃やす、ってのはどうだろう。公共福祉をその地域にたっぷりと費やせば地元住民の理解も得られるかもしれないし、ある意味では正論といえる。ただ核廃棄物と違ってゴミはかさばるうえに比べ物にならないほど量は多く、ゴミ運搬にかかるコストは計りしれないものになるだろう。だから、バツ。環境問題を論じるうえでもっとも重要なもののひとつはコストだ。それは資源、いいかえればエネルギーに直結する。

環境を考慮すればするほどコストはかかる。これはダイオキシンにかかわらず環境問題全般に共通する。たとえばペットボトルを燃やすと有害なのは誰もが知っている。その原料はポリエチレンだ。じゃあなぜポリエチレンを使ってペットボトルを作っているのかというと安いからだ。つまりコストがあまりかからない。どうしてペットボトルのリサイクルが進まないかというと、今の技術では再生するコストがかかりすぎる上に、再生したペットボトルの純度が低いためにあまり使い道がないからだ。いまのところフリースだとかプランターなどにきもち利用されているだけで、再生するまでの利用価値はない。さっさと燃やしたほうがコストはかからない。でも燃やすのも環境によくないのは明白なのだ。かといっていまさらすべての飲料をペットボトル以外のもので流通させるのも不可能だ。製造にしても運搬にしてもペットボトルはコストがあまりかからない。だからこそこれだけ流通している。

すべてはどうどうめぐりになってしまいそうな感じがするけれど、ここで必要になるのが危険性をしっかりと把握することだ。ここでいう危険性はリスクという言葉でよく表される。もしダイオキシンがそれほど有害でなければ現状のままにゴミは燃やしてしまえばいい。だけどダイオキシンのもたらす有害さは誰もがある程度の知識はもっているだろう。精子が減少するとか奇形児が生まれるとか。でも、実際のところ、ダイオキシンが危ないらしいぞ、というのはわかっていても、どれくらい危ないのかは正確にはわかっていない。学問としての環境問題の今のテーマは有害物質の危険性の把握、いわばリスクの算定であるといえる。だから危険性だけが一人歩きしてしまっている現状は好ましくないといえる。かといって何も知らないのも困るけど。

ダイオキシンにとどまることなく、まずは対象のリスクをしっかりと把握して、それに応じてコストを費やしていく姿勢の確立が待ち望まれている。とりあえず危険性がわかっている物質をさけて代替品をつかったところでなんの解決にもならない。それはみせかけだけの安心にすぎない。どんな物質だってわかっていないだけで少なからず危険性はあるものだ。

けど、問題なのは企業は利益を追求するところであるということ。コストは極力削っていかなければ死活問題になってしまう。企業の活動がなければ社会は成り立たないし、企業が環境を考えないと地球はどんどんやばくなっていってしまう。これぞという答えはどこにもみつからない。どこかにコストとリスクのいちばん折り合いのとれるところを見つけ出して妥当な解決策を見出さないといけない。手遅れになってしまう前に。


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